11.「縁」について

 「ご縁がありますねぇ」
 「これもなにかの縁ですね」
 と言うことを聞きませんか。
 あるいは言ったりしていませんか。
 実はこの「縁」というのは仏教の言葉です。
 法華経の方便品を読まれている方はお分かりかと思います。
 如是相・如是性・如是体、それから力・作・因・縁・果・報、のお経です。

 これを十如是(じゅうにょぜ)といいます。
 このなかに注目すると、よく聞きなれた、因縁・果報がありますね。
 この、因・縁・果・報の組み合わせが、因縁と因果をあらわしています。

 とくに、縁ということが非常に大事です。
 縁と言うのは、周りのことで、身近に分かるのは人の行為とか言葉です。
 言葉などで微妙に私たちがうれしくなったり、悲しくなったり、怒ったりします。
 勉強会では車の運転中のことをたとえにとりました。
 後ろから急に追い越して危ないめにあう、しかもタバコに火をついたまま捨てる。
 腹がたちますね。
 でも、急いでいるときに、混雑しているなかで気持ちよく割り込みをさせて下さる。
 そういう時はありがたいですね。

 ちょっとした行為や言葉で私たちは善意をもったり、悪心をもったりするのです。
 これを、善因は善果、悪因は悪果といいます。
 それが、人相にあらわれ、性格になり、その姿になると説きます。
 その本末は等しく自身にあることを十如是は説いています。

 大きく見ると地球環境もそのとうりなのです。
 難しく言いますと衆生・国土・五陰(ごおん)の三つが、この因果に収まるのです。
 そして、このことを諸法実相といいます。
 私達の心がけで社会がかわるということ。
 皆が共に幸せにならなければ‥‥‥
                              (11月18日、勉強会のなかより)