12.行の力が大事です

 勉強会がお寺であると言っても、勉強には付いていけないと言う人が多い。
 そういう中でも毎回参加される人が多いのは有難いことです。
 私は勉強を志した人間なので、それを皆さんに伝えたい、そうしなければ折角支援をして下さった方に申し訳ないと思う。
 ただ、今は自分の知識としてだけのことに留まるのではなく、少しでも皆さんにお話できることに感謝しています。
 勉強は住職として必要なことです。檀家さんには高度なことであっても、僧侶としては専門分野なのです。何時いかなる質問があるかも知れません。ある程度は答えられないと、やはり恥になります。また、法華経に命をかけられた日蓮聖人に申し訳ないことになります。
 日蓮聖人はどうして法華経を選ばれたのか、そして法華経の行者となられたのか。
 それを追求していかなければなりません。

 さて、今回は雑談のようでしたが、私が師匠の尼さんにお言葉をお願いしたことをお話しました。
 尼さんは私に「慈悲」ということが一番大事と教えて下さいました。それを色紙にかいて頂き宝とし、自分への諌めのつもりで心に思っています。私には慈悲心を持ちなさいと言うことだった思っています。
 ところがなかなか慈悲の心を持続するのは難しいことです。
 私は、それには誓願が必要と思います。
 四句誓願。それは衆生無辺誓願度。煩悩。法門。仏道無上誓願成という誓願です。
 小さな誓願から始めないとできませんね。妙覚寺では「行」に通うということをしています。皆さんもお寺に「行」に通われたことがあるでしょう。それが、自分の病気、ご主人、お子様など、いろいろなことで「行」に通われたことと思います。
 その日数が百日、三十五日、あるいは一年とか。それも誓願に入ります。

 法華経は、お経そのものに力があります。それを経力と言います。なぜ経力があるのか、それは釈尊の力がこの法華経に込められているからです。如来の一切の力が込められているのです。寿量品には「如来の秘密、神通の力」と説かれていますでしょう。

 しかし、肝心なことを忘れてはいけません。
 それは私達の「行」の力です。
 私たちも行をしなければいけません。
 特に僧侶は行力が必要です。それは毎日毎日の積み重ねです。御前さまは毎朝、滝に打たれていたことも、勉強会でお話ししました通りです。
 今回は、慈悲・誓願・行力について尼さん、御前さまに触れながらお話致しました。
                                       (H,17.1.18)