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法華経というお経の名前は、妙法蓮華経を略したものです。 日蓮聖人が妙法五字というのは妙法蓮華経の五つのことを言います。 では、妙法蓮華経の五字と七字というのは、どういうことでしょうか。 それは、私達が唱える南無妙法蓮華経を言います。 南無とはインドの言葉で、ナーモを表音漢字にしています。 帰依するとか尊敬、従順という意味をもっています。 つまり、南無妙法蓮華経と唱えるのは、妙法蓮華経に帰依しますということです。 一般に仏名を唱える宗派が多い中で、日蓮聖人は南無妙法蓮華経と、お経の名を唱えるよう教えられました。 では、法華経に帰依するとはどういうことなのでしょうか。 『如来神力品』第21に教えを求めてみましょう。 如来の一切の所有の法 如来の一切の自在の神力 如来の一切の秘要の蔵 如来の一切の甚深の事(じ) 皆この経において宣示顕説す。 と説かれています。 如来とは釈尊のことです。すなわち、釈尊の一切とは全てで、その教えである「法」は法華経にあるということです。また、釈尊の自在の「神力」と秘要の「蔵」、甚深の「事」とは、寿量品の「如来の秘蜜、神通の力」を言い、釈尊の胸中の奥にしまわれている大事な教えを指します。 それらのことが、この法華経に宣(のべ)られ、示され、顕され、そして説かれていると釈尊は言われているのです。 釈尊のこの教えに帰依することが大事なのです。 そして、日蓮聖人は南無妙法蓮華経と唱えることこそが大事と言われたのです。 神力品のさきのお経は「四句要法」といいます。 また、「結要付属」(けっちょうふぞく)と言い、日蓮聖人の教学のなかでは本化上行菩薩の自覚という大切なところです。 更に、四句要法は妙法蓮華経の名・体・宗・用・経という五重玄義をお経の文を証拠にして、法華経がなぜ他のお経と比べて優れているのかを証明する大切なところです。 信仰の立場から妙法蓮華経の五字と七字をみたときに、日蓮聖人はお題目を唱えることこそが大事であるとされています。つまり、七字の題目とは南無と唱えることであり、日常の生活の中においても法華経の信仰者らしく振舞うことが大事なことと言われているのです。 (5月18日の勉強会より) |
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