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日蓮聖人の教えは法華経のなかでも本門を中心としています。 その本門の中心は寿量品です。 寿量品に大事な教えが説かれますが、その入り口になるのがこの法師・宝塔品になります。事(こと)起こると日蓮聖人が言われるののはこの理由によりものです。 法華経は迹門と本門の二つに分かれ、迹門も本門もさらに三つに分かれます。 序分・正宗分・流通分の三つの構成になっています。 今回の法師品第十から安楽行品の第十四までが流通分(るつう)になります。 流通とは広めることを意味します。広宣流布のことです。 法師品には、法華経が第一の教えであると説かれます。 そして難信難解であるからと示されています。 更に釈尊は未来に向かって、この法華経の教えを広めることを示唆します。 如来(釈尊のこと)の現在ですら迫害が多い、まして自分の滅後においてはなおさらであると説かれます。 そのために釈尊は四衆を遣わして守らせると言います。 「我れ化の四衆、比丘・比丘尼・ウバソク・ウバイを遣わして衛護せしめん」というのはこのことです。比丘とは僧侶、比丘尼とは尼僧、ウバソクとは男性の信者、ウバイとは女性の信者です。 さて、法師品で釈尊は今まで四十二年、教えを説いてきて、また、これからも教えを説くであろうが、その中でもこの法華経こそが第一の教えであると述べました。そして、もっとも信じ難く理解し難いであろうが、仏弟子はこの法華経を説かなければならないと流通を勧めました。 そのときに、宝塔があらわれ、その中から大きな声で「善哉善哉、釈迦牟尼世尊の教えは皆、真実である」という声が聞こえました・ これが宝塔品の始まりです。 寒修行で唱える「そのときに宝塔のうちより‥‥」はここをさしています。 法師・宝塔品は日蓮聖人の教えの中でも大事なところでございます。次回はさらに深めてお話し致します。 |
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