3.H16.1.18  久遠実成について

〇 日蓮宗の本尊は
   法華経の釈尊です。
   くわしく言うと「久遠実成」(くおんじつじょう)の釈尊です。
     * 日蓮宗の総本山である、身延山久遠寺(みのぶさんくおんじ)の名前はここ        に由来します
   この「久遠実成」は法華経の「如来寿量品」にしか説かれていません。

〇 どのようにして「久遠実成」が説かれたのでしょうか?
   それは地湧(じゆ)の菩薩が、大地の中から出現されたことから始まります。
   この場面を説いているのが「従地湧出品」第15のお経です。
     * 『開結』の393頁からです。

  地湧の菩薩は釈尊の言葉に反応して出て来ます。
  それは、「末法という時に法華経を広める弟子がいる」という言葉です。
  そして、ぞくぞくと大地から出て来られた大勢の地湧の菩薩を代表して、上行・無辺   行・浄行・安立行の四大菩薩が宝塔のなかにおられる釈尊にむかってご挨拶をされ   ます。
  それを見ていた仏弟子たちは?
  地湧の菩薩は金色に光輝いていましたので、釈尊のお弟子さんとは思えない。むしろ  釈尊のほうが弟子ではないかと疑いました。

  しかし、地湧の菩薩は合掌して、「お師匠さま、おすこやかに法を説かれることができ  ますでしょうか。心に疲労はないでしょうか」と心配されご挨拶されたのです。
  
  釈尊の過去世のことならなんでも知っているという弥勒菩薩も、「これらの大威徳をも  たれ高貴な菩薩を一人として知りません。いつ、どのようにしてこれらの菩薩を教化さ  れたのかを教えて下さい。」と釈尊にお聞きになられたのです。

  この弥勒菩薩などの問いに答えられたのが如来受量品です。
  そして、「久遠実成」が釈尊の伝導42年目にして始めて説かれるのです。