32.一品二半(いっぽんにはん)

 分別功徳品第17に入りますと、寿量品で釈尊の久遠実成を聞いた菩薩や人々が得る功徳が説かれてきます。
 これを「法身の記」といいます。私達の命も永遠であり、仏になることができることを確信したのです。その喜びを弥勒菩薩がのべたのが分別功徳品の前半です。
 一品二半とは、湧出品の後半と寿量品の一品と分別功徳品の前半をいいます。
 法華経の中心の大事な教えが説かれているところです。教学では久遠実成が説かれたところで三種教相の第三の「師弟の遠近不遠近」にあたります。別に「第三の法門」ともいいます。

 さらに深めますと、「内証の寿量品」といって、釈尊の久遠実成を解き明かしたことによって、「妙法蓮華経の五字」の意味が釈尊の積み重ねられた功徳が集められたことが示されてきます。
 それは、佐渡に入ってから書かれた『開目抄』や『観心本尊抄』に始めて説き明かされてきた、日蓮聖人の独自の法華経の教えとなります。この一品二半を中心として法華経の本門に独自の三大秘法を見出してきます。その中の妙法蓮華経の題目に釈尊の因行と果徳を示されてきます。そして、妙法蓮華経の五字を下種としていくところに日蓮聖人の本懐がのべれてきます。

 一品二半は日蓮聖人の教えの中で最重要なところであることを理解し、勉強会を進めていきたいと思っています。