薬王品・妙音品・普門品

薬王品
 薬王菩薩は過去に一切衆生喜見菩薩として、臂を焼いて供養したことを説いています。これを焼身供養といいます。そして、法華経の勝れたことを10の喩えをもって説いています。これを「法華十喩」といいます。さらに、12の喩えをもって法華経の功徳と利益を説いています。また、「後五百歳中、広宣流布」の大事な経文が説かれています。

妙音菩薩品
 東方の浄光荘厳国から妙音菩薩が、釈尊のおられる霊鷲山に来て、釈尊・多寶仏を供養されていました。この妙音菩薩は法華経によって34身を現じて衆生を救護していることを説きます。そして、法華経を聞くことの価値を説き、妙音菩薩のこの説法を聞いた者は現一切色身三昧を得ることができたことを説いています。これを説き終わった妙音菩薩は本国に帰ります。

観世音菩薩品
 観世音の名前の由来は、衆生が口に観音の名前を唱えれば、いかなる大難からも救ってくれることを説いています。すなわち、火難や怨族などの難を救い、また、貪り・怒り・愚痴などの心の災いからも逃れることを説いています。そして、そのために観世音は33身を現じて私達を引導していることを説いて、法華経の信心を勧めています。さらに、釈尊の神力や慈悲は観世音菩薩よりも、はるかに広大無辺であることを示しています。