9.真実の教え、それは法華経

 釈尊は50年間、多くの国において教えを説きました。
 その教えは相手に応じて説かれました。
 深く真実の教えは直ぐには説かれませんでした。
 それは機根に違いがあるからです。
 機とは能力。
 根とは性分。
 仏教では上・中・下の三つに分かれるとします。
 上機・上根。下機・下根といいます。
 これら複雑な機根の人を対象にして教えを説かれました。
 直ぐに理解出きる者。
 なかなか理解できない人。
 すぐに飽きてしまう人。
 ゆっくりだけど毎日ガンバル人。

 これらの人を導くには方法が必要です。
 それを方便といいます。

 そして42年間がたちました。
 釈尊は一定のレベルに達したのを確認して教えを説かれます。
 「正直に方便を捨てて、ただ無上道を説く」
 「まさに真実を説くべし」
 と法華経の方便品に説かれています。

 それは、すべての生きとしいける者は仏という境地に到達できる。
 ということでした。

 これを、「二乗作仏」。
 これを、「一仏乗」。
 また、「開三顕一」といいます。

 それは、私たちには仏性(ぶっしょう)があるからなのです。
                                 (平成16年7月18日)