19.尼さんのインド旅行記(13)

 (25日)今日はニューデリーの市内見物です。インドの首都ニューデリーは、1911年に英国が古いデリーの城内の外に新しく建設した所です。オールド・デリーの方は7つの王朝が栄えた由緒ある土地で16世紀にシャージャハン帝が、高い城壁のレッドフォートを完成し、城下町を建設したのです。ニューデリーは公園のように広々とした町ですが歴史的な建物の中では、レッドフォートの他、建ってから800年も経っているのに、殆んどそこなわれていないクダブミナール、高さ71メートルの塔があり、此の寺院の境内には、5世紀に建てられ、かつてさびた事がない鉄の塔があります。フーマユンの墓は、ムガール帝国2代目の皇帝とその妃の墓でムガール建築の最初の傑作です。 
 ジャム・マスジッドは、レッドフォートの向かいにある世界最大の回教寺院で、シャージャハンが5年の歳月をかけて建てたものだそうです。ジャンタル・マンタルは、18世紀の天文台です。
 とにかく、インドの寺院はどれを見ても5年や10年ではなく、何年も何年もかかって建てたものばかりで、気の遠くなる思いです。他は議事堂、ガンジー公園(ガンジーの墓)など見学し、今日がインドでの最後の日となるのです。 
 政府指定の民芸品店でおみやげを買い、デリーを後にカルカッタに向う。再び、オペロイ、グランドホテルに泊まる。
 インドにも、ようやくなれ、ドル、ルピー、パイサとお金の出し方もおぼえ、インドの人とも仲良くなった頃にお別れ、たべものは悪かったが、インドの人はよい人ばかり、日本に帰る日も近くなって来たと思うと、やはり心は札幌にはしる。
 ホテルの窓より月を見て、インドの月も、札幌の月も変わりないなァ、お寺では、皆、どうしてるかなァと、空を見る目に星が流れ、星の流るるのも札幌と変わらないと思ったり、子供のような気持ちになる。
 (26日)カルカッタ空港よりインドに別れを告げ、香港空港に夕方到着、世界三大夜景の一つ香港の百万ドルの夜景を見る。私は、函館に居りましたのでよく函館山の夜景を見ました。函館山の夜景は、香港によく似ていると聞きました。一度香港の夜景を見たいと思っていましたので香港の夜景を見て、今度は、函館を思い出しました。本当によく似てました。とてもきれいでした。今までインドの電気もない淋しい所ばかりでしたので、香港のにぎやかさにはあっとうされて、一夜で10日もすぎたやうな疲れをおぼえました。でも久方ぶりのなつかしの日本料理で嬉しかった。いよいよ明日の夜は、日本の地と思うと、ベットもふかふかのせいもあるがなかなかねむられず、上を見、下を見、左右と回っている中にいつしかねむる。