20.尼さんのインド旅行記(終わり)

 (27日)今日は香港でおみやげ店廻り、午後6時に東京に出発するので、何かお上人さんに一つと子供達(弟子)にと思い、おみやげ店で色々物色する。香港は日本のお金で買物が出来、お店の香港人は皆日本語を話すのでらくに買うことが出来るのだが、香港人は観光ずれしていると言うか、品物も高いか、とてもずるかしこい。物を買っていても、あまりよいかんじは受けない。 
  いよいよ懐かしの日本に向けての出発。飛行機の中に乗っていても、今までと違い、買ったものを一つ一つ書いて見せなければならないのでいそがしい。インドで買ったものを思い出すのにひと苦労、ようやく書き、日本へ着いて羽田で出すのかと思ったら、宝石を買った人だけだった。 
  羽田に到着したのが午後11時半頃でした。東京の人や近くの人々とは羽田で、お別れして、私達は又ホテルへ行き、一泊した。 
  (28日) 朝、半月ぶりで札幌へ電話する。お上人の声や皆の声を聞いて、やれやれ一安心、ちょっと目をとじたつもりが昼までねむってしまう。 
  ボーイに電話でおこされてびっくり。それから食堂へ行って食事をして、ホテルを出る。 札幌へ帰って御祖師様に御あいさつをしたら、御宝前にインドより出した私の手紙が上がっている。手にとって読みかえして見た所、私が書いた手紙なのに、私が読むことの出来ない(字がぬけているし、うそ字は書くし)。一生懸命書いて自分で、読んで見て出しているのに、インドぼけだったのか、ぜんぜん読めない手紙を出してたのには、苦笑しました。
 
 昭和47年10月14日より27日までのインド佛蹟巡拝旅行の私の記録

恋しさに 追分唄ひ国思ひ インドの空に三ヶ月が 雲の流れに顔出して 二度とふめない異国の地 よくよくかみしめよと かたるやう                                                                        終り