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夕空にとび立つ かもめ秋深し 釧路港 啄木思い 世が変る かもめとぶ 釧路の浜に 我淋し きり多い釧路の町の 駅に立つ 釧路にて (昭和47年11月 『妙声』23号 二句目に石川啄木の思いが詠われている。 尼さんは「小奴」との出会いがあり、小奴を想い起こしての気持が「啄木思い」に現れたと思う。 私の記憶の中に、小奴との出会いについては、それが釧路か京都であったかは定かではないが、初老の上品な女性であったこと、そして、啄木に関しての手紙などは全て焼却したという話しは記憶にある。 尼さんは当時、富山県に奉公に出ており、姉の奉公先が小奴の住まいであったのか、その縁で知り合ったと思われる。 遠戚関係があったようにも思われるが、小奴は芸者という立場を鑑みて控えめであり、尼さんも多くは語られていない。 |
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