7.尼さんのインド旅行記(2)

 15日。7時に起きて食事をすませた。ここの食事はまだよかった。大きなホテルは食事はよい。
 カルカッタ市内観光をバスでする。12時5分、カルカッタ航空にてパトナへ。パトナには1時間少々で着きましたが、そこがインド時間で待合室にいること2時間。温度は35度および6度もある。
 暑さにたえながら外へ出て見たが寂しいところで見るところなし。インドの子供や大人達はめずらしそうに又何か欲しそうによってくる。高橋正男君(本化妙宗の先生のお子様)はすっかり子供と仲良しになって子供と遊んでいる。今日はブッダガヤのジャパンテンプル(日本の寺)寺院に一泊。
 16日。街路樹は緑が濃い。ポプラ、ネム、ベコンブリヤの木の花が赤くきれいに咲いている。
 宿は二つに分けて泊り、二班の私達は日本の寺に泊ったのである。
 昨夜は宿泊所の前に店を出してボダイ樹の葉や数珠を売るインドの子供が、たどたどしい日本語で南無妙法蓮華経ボダイ樹ハッパ1ルピー1ルピーと言いながら売ってます。
 私達の宿泊所になりました寺は、さすが日本の寺だけに、寺の周辺には日本の花がたくさん植えてありました。百日草やスミレ、ナデシコ、カスミ草と、私はインドへ着くなり日本が恋しくなってましたので、とてもたまらなくなって百日草の花を一輪人の目をかすめて取りました。
 ブッダガヤは釈尊がボダイ樹の下で悟りを開いた所として、聖跡のうちでも最高の聖地とされています。ここにはその後何世紀かにわたって多くの記念建物が次々と建てられました。
 マハボデイ(大菩提寺)と言われる大精舎は高さ49メートルのピラミッド型をした9層の塔で、内部には成道の事実を象徴する五体倒地(ブーミスパルサムードラ)の金箔の仏像が納められています。
 現在ある大精舎は煉瓦造りで、おそらく4世紀に建てられ、その後数度にわたって修復を重ねたものです。四隅の小塔はたぶん14世紀にビルマ人の手で加えられたというのが付いて、とてもごうかです。
 成道当時のボダイ樹はすでになく、池上の本門寺の桜の木のように、次々に新しく植えかえられて今日に至っているそうです。
 また、釈尊が悟りを開いたとき座っていたバアジュラサーナム(金剛宝座)は信徒の崇拝の的です。
 このボダイ樹のすぐ近くに七つの聖座がありますが、ここで釈尊が仏陀となられた法悦の1週間の一日一日を、それぞれの座で過ごされたと伝えられています。
                        (『妙声』25号昭和48年3月21日発行)