100.釈尊の一子ラゴラに学ぶ         高橋俊隆

釈尊の愛情はすべての人々に同じようにそそがれました。

釈尊の子供である羅睺羅[らごら](ラーフラ)と皆は同じであったとのべています。ラゴラの方が自分を特別あつかいとされていると思われないように、できるだけ離れていたといいます。

ラゴラは15歳の時に出家して、釈尊の十大弟子の一人、智慧第一といわれた舎利弗(シャリホツ)について修行をはじめます。よく戒を守り修行を積み煩悩を断じて阿羅漢果を得ます。しかし、なかなか、その悟りに到達する道のりは険しく、十大弟子のなかでも最後になります。親である釈尊も心配されたようですが、修行はそれぞれの人の精進によるものです。そして、ついに密行第一と称され法華経蹈七宝華如来[とうしっぽうけにょらい]の記別を受けます。「密行第一の羅睺羅」と賞賛されます。

 密行というのは己の徳の高さを外に出さないということで、普通には謙虚な人をいうのでしょう。その修行の深さや修行の苦労についても口外しないで黙々と修行をされたと思われます。一般には「戒律を緊密にきちんと守り修行すること」をいいます。

 今、世界中でコロナの驚異におびえています。しかし、国によってはマスクをはずし日常の生活にもどっているところもあります。日本の国内はいぜんとワクチン接種も行き届かず、都道府県や各地域で早く対策をしているところもあれば、ワクチンを廃棄処分しなければならないところも出ています。

 人の能力はいざというときに正確に判断できることと思います。その基準は釈尊がすべての人を我が子と思ったように、人を大切にすることでしょう。それが、菩薩という人のあり方なのです。法華経は賞罰を説いています。なぜ戒律を守らなければならないのか。それを侵すと破戒になるのはなぜなのだろうか。ここが一番肝心なことなのです。徳と罪の賞罰を正しくといているのが法華経です。

人を大切にする心がけが一番大事と思います。私たちの身の回りの人から更にしましょう。  合掌