2.日持上人と北海道

 北海道に始めて日蓮宗の法華経を広めたのは日持(にちじ)上人です。
 日持上人は日蓮聖人の六人の高弟の一人です。
 永仁三年(1295年)、静岡県富士川町の蓮永寺を出立し、仙台・青森を経て北海道に渡りました。
 函館の日蓮宗寺院にはその足跡が残され、今日まで大切に庇護されています。
 日持上人の入寂のところは北海道とも、中国の宣化とも言われています。
 いずれにしても、鎌倉時代に蝦夷という未開の地をめざして、足を進めた日蓮宗の僧がいました。
 現在の私たちは恵まれた生活をしています。車で遠くまで行けます。動物に襲われたり、盗賊に狙われることは稀なことです。携帯電話も快適なホテルもあります。
 日持上人は、ただひたすら歩きました。
 南無妙法蓮華経と唱えて。
 この強い精神力は、信心の強さにあるのでしょう。
 私たちも強い信念をもちたいものです。
 日持上人に学べることがあれば幸甚です。
 合掌