27.お盆にはお墓参り

 日頃は働いているので、なかなかお墓にお参りできない。
 生きて行くことも大事。
 忘れているわけではない。
 せめてお盆の休みには。
 お墓に。

 忘れられない人。
 祖父母。両親。叔父叔母。兄弟。子供。恩人友人。
 年齢を重ねると、いやでも増えてきますね。
 その忘れられない人のためにお花を、お供物を、好物を。
 それが自然なお墓参りだと思う。
 夫の本家のお墓、妻の家のお墓、お世話になった人のお墓へと足を運ぶ。
 そして死者に語る。
 家族を見せる。
 血の繋がり、心のつながりを確認する。
 そして、また現実の人生に振り返って歩く。
 そのような心になれることは有難いこと。
 亡き人のために泣く、寂しさを募らせる。
 それはいい人だったから。
 いい人とめぐり合えたことに、喜びを感じたい。
 このように思えるのも貴方がいてくれたお陰と思えば死者も喜ばれる。

 貴方が亡くなったら、悲しんでくれる方はいますか。
 泣いてくれる方はいますか。
 お花を供えてくれる方はいますか。

 お墓参りは仏教的な供養というまえに、人としてのやさしさが醸し出すもの。
 その優しさは相手を思ってあげる心。
 お釈迦さまの慈悲のような心。
 お墓参りは家族の絆を強くします。
 お参りする人もいずれ、お参りされる人になります。
 昔から、「散る桜、残る桜も、いずれ散る桜」と言います。
 ご先祖さまに自分の生き方を問うてはいかがでしょうか。

 提灯に灯りを燈して、迷わずに来られるようご先祖様をお迎えしましょう。