28.台風14号接近

 現在、台風14号は北九州に中心があって、かなりの風水害がでている。
 宮崎県では10万人以上の避難勧告。自然の恐ろしさが身にせまる。
 北海道は沖縄や九州地方からみると台風の被害は少ないように思う。
 しかし、それだけに防備が甘いのかも知れない。
 昨年の今頃8日の台風は、そうとうの被害があった。
 札幌の円山公園の樹木は根から倒れた。
 私の区域はそのため停電が長く続き、冷蔵庫の食品はダメになった。
 子供は始めて電気のない不安を感じた。
 いざというときの準備をし、安全を確保しなければならない。
 しかし、個人には限界がある。
 行政に頼らざるを得ない。
 そこが、しっかり私達庶民を救ってくれるかが肝心である。

 ニューオリンズにハリケーンがきた。
 その名はカトリーナ。
 被害範囲は日本の本州の広さ。
 子供、老人、病人、車イスの人が助けを求めている。
 インスリンがなく、こんなことで死にたくないと言って黒人女性が倒れた。
 スマトラの地震災害のときは、すぐに救援したのに、なぜ早く来ないと言う。
 日本一国とアメリカの州との違いはあるが、人を助けることに違いはない。
 早く、なんとかと誰でもが思っている。

 このような食べる物もない状態になると、人間の本性がでる。
 また、犯罪とわかっていても家族の命を救うために窃盗や殺戮がおこる。
 これが人間なのだ。
 すべての人に隣人を愛する宗教心があるとはいえない。
 菩薩のように他人のために死ねる慈悲はできない。
 理性では抑えきれないのが現実だと思う。
 しかし、自己の中の餓鬼・畜生・修羅をしってこの地獄を克服しなければならない。

 日蓮聖人の『立正安国論』はこういう大災害を経験して書かれたものだ。
 人間の心のあり方で人災を防げると説く。
 また、為政者の心がけで人民を助けることができると説く。
 すべての人を家族と思う、そこに慈悲が私達にもでてくるのではないか。
 こういうときにこそ、私達を救うのは信仰心だと思う。