37.お墓の行方

 跡継ぎの問題に絡んでお墓の問題があります。
 北海道は、だんだん過疎化になってきました。
 子供たちは仕事がなくて中央にでてきます。
 札幌でも仕事がなくて道外にでていく状態です。
 そのまま帰らないで居住しますと、お寺や墓地と疎遠になってしまいます。
 跡継ぎのことも、親の面倒をだれがみるのか、お墓の管理をだれがするのかで困っていることを聞きます。
 財産の相続の問題もあるようです。昔は長男が「家」を相続し、親はもちろんのこと、先祖といわれるお墓や年忌法要もキチンとしていました。
 財産が均等になることで、残される問題は誰が親と墓をみるかということです。
 最近は、一人暮らしをするほうが気楽でいいという老人がふえています。
 病気や老衰で面倒をみてもらうときに、同居していないと受け入れる体制ができていない場合が多いようです。車イスを使用するようでしたら尚更のことですね。

 これは、生きている時の問題ですが、いざ、お墓を継ぐとなると、遠方に住んでいる場合はお寺をかえたり、お墓をかえることが増えています。
 そのばあい、昔は同じ宗派のお寺に紹介したり、お願いしたものでした。
 しかし、今はそれがなくなってきているようです。
 その寺々で護持会費や墓地・納骨堂の管理費の違いがあります。
 お参りに関したことの違いもあります。
 寺のほうからしますと、信用ができるのかという不安があります。
 よく聞くのは、葬儀がすんだら、そのあとは疎遠になったという話です。年忌の法事や祈祷なども、その後が信用できない場合もあるようです。
 紹介する寺も、紹介された寺も、どちらも困るようでは、紹介しないで、自分で寺に出向いて話しをされたほうがいいとお話しをするようです。

 子供がいなくて、断絶する家もあります。
 そういう方は、寺の永代経に入って、お寺のある限り永代に供養のお経をあげていただくのが良いと思います。