46.春を待つ

 雪国に住むと春が待ちどうしい。
 冬の生活が苦しいからであろう。
 だから、なおさら春の喜びを感じる。
 子供のころは楽しかった冬。
 スキーやソリ遊び。
 家の前がもうスキー場だった。
 子供が多い時代だったから雪合戦をよくした。
 雪土俵をつくって相撲もした。
 投げられても痛くない快感があった。
 それが大人になると春を待つようになった。
 子供が大きくなると春を待つようになった。
 今、ふきのとうの芽がでた。
 雪がとけた。
 だけれど喜びはない。
 それは喜べれない社会だからだ。
 いつになっても人間の欲ばかりの社会だ。
 お彼岸に先祖を想い。
 なたたちが生きた時代よりも楽しい物がいっぱい増えました。
 食べ物もなんでもあります。
 でもあなたたちのいた時代の心が失われました。
 お花を供えお参りしたら。
 あなたたちの心がもどります。
 この世のなかに春がきますようにと願いました。