62.慣れのこわさ

空を見上げて、空の青さに心をひかれ、
夜空を見ては、星が散りばめられているのに、驚く。
東京の空には星がなかった、そういう気がする。
都会にいると、北海道は止まっているように思えた。
どんどん遅れていくのがわかった。
それから30年。

空を見なくても空気がおいしい。
おもいっきり呼吸ができる。
水もおいしい。
幸せだと思う。

沖縄の海を見て、なんだろうと思った。
その、緑の、青い、底まで透き通る色。
しかし、宇宙から見たら、
沖縄の海は汚れて見えた。

お経に、燃え盛る家にいても、
燃えていることに気がつかず、遊ぶ子供たち、
また、毒虫や獣がいても、気がつかずにいる人たち、
体が蝕まれているのもわからない、私たちのことが
説かれている。

それ(信仰)がわからない、私たちがいると、釈尊は言う。