80.常説寺の白輿(しらこし)について 高橋俊隆
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山梨県甲斐市吉沢に常説寺というお寺があります。順徳天皇ゆかりの国重要文化財「白輿」を寺宝としています。 日蓮聖人御一泊説法の後、日蓮宗に改宗した歴史ある日蓮宗のお寺です。 承久の乱に敗れた順徳天皇は佐渡へ流される途中、常説寺に萩堂を建てて半月余り逗留されています。その後、順徳上皇が、越後寺泊から甲州御岳金峰山に奉幣のため、順徳天皇が御使用された輿(白木造りの輿)を使わします。勅使は圓乗寺萩堂に輿を留め、半月あまり天下泰平を祈願し、その法施として順徳院号を降ろされ、順徳院山圓乗寺と寺号を改めました。 有職故実の権威、江馬務氏の発言 「いろいろ綜合するに、この輿は極めて高貴の方の御乗用であった証拠と、鎌倉初期の形式実質を備えた点で畏くも順徳天皇のご配流にご使用あったものであるということ、疑う余地がありません。国宝としての価値が十分存しております。」 日本最古の板輿(白輿)は、昭和二十四年五月二日、国の重要文化財に指定されました。 『日蓮宗尼僧教団四十年のあゆみ』参照。 |
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