83 先祖の血を受け継いでいる               高橋俊隆

自分の祖先にはどのような人がいたのか、気になることです。若い世代に聞いてみると、直接、自分には係わらないから、知らなくてもよいという人がふえたようです。祖父や祖母とも数年に一度くらいしか会わない時代ですので、まして、100年や200年まえの先祖を想像するのは不要なことと思うのでしょう。

 テレビの番組で、2代から3代くらい前の先祖を探る、興味ふかく企画されてものがあります。大方の人は先祖のことを知ると涙をながします。そこには、感動があるからです。こんにち自分がいる存在の尊さ、そして、今の自分の職業が先祖の血を受け継いでいることが分かるからです。 

 そこに、自分自身がいると、あとから思うようになるのではないでしょうか。

 また、目を転じますと、自分の子供や孫も、同じ血を受け継いでいくと思います。そんな、子孫を愛おしく守ってあげたくなるのが親というものでしょう。

 親は子供を溺愛します。自分の命より大切な存在なのです。しかし、古来より子供は親にため口をききます。逆に言いますと、それほど親は自分の味方なのです。わがままを言える唯一の存在なのです。

 「親の有り難さは、亡くしてからわかる」と言います。亡くさなくても分かっているのですが、そこには甘えと安心感があるからと思います。日蓮聖人は一日に一回でも、微笑んであげることも、親孝行なことと述べています。亡くなっているなら、お題目をお唱えし、お経を唱えてあげることが、何よりも悦ばれることです。

 今日は、永代供養法要を行います。無縁になったご先祖の供養もしてあげることができます。ありがたい法要です。      合掌