99,.厄除けのご祈祷           高橋俊隆

  二月の節分を迎えると毎年恒例の「厄除(やくよ)け」のご祈祷が始まります。
 日蓮宗では荒行を終了した修法師(しゅほっし)がご祈祷をします。

今年はコロナ渦中のため感染を避けるため、人数を少なくして回数を多くしています。

 「厄除け」というと厄年にするものと思われます。女性は19・33・37・61歳。男性は25・42・61歳となります。この年齢は体質の変化、職業の変化などの転換点になります。身体は自然のものですので、体に影響のある危険なことを避けるのが賢明です。ですから毎年、その年の災厄を除くためのご祈祷をされたらよろしいのです。

ご祈祷は気休めのために受ける人もいます。合格祈願や安産成就のお守りを頂くのも気休めのためと言う人が多いのではないかと思います。

 どんなに大きな木でも台風や地震などで倒れることがあります。倒れないためには支えをしてあげることです。ご祈祷はその支えをしてあげることです。そして、しっかり大地に根を張れる栄養を与えることと似ています。

実際にお経の入った筒(撰法華経)を身体に当てます。これを「お加持(かじ)といいます。このとき身体からの信号のように感じるものがあります。木に耳をあてると水を吸い上げる音が聞こえるというのと同じです。それは主に病です。不調音が聞こえると同じに病んでいる熱が伝わるのです。そこに手を当てると熱が出てきます。法華経のお経が身体の中に入って行くからです。暗い部屋に照明をつければ明るくなるように、また、寒い部屋に暖房をともせば暖かくなるように、身体の中に病を消滅するためのお経が入っていくのです。不思議ですが事実なのです。

法華経に「「病即消滅」と説かれている通りなのです。 信仰は大切なことです。法華経を護る諸天善神が信仰者を護るとお経に説かれています。

 日蓮宗の僧侶は世界中の人たちのコロナ感染も防がれるよう祈願しています。 合掌の気持ちをもって敬うように、ともに命を大切に護りあいたいと思います。