145.積み重ね                              高橋俊隆

60代のなかばになって、1020代に努力したことが報われた気がします。とにかく、本を読みました。お金はほとんど本を買いました。また、お経も唱え水行もかかさず行ってきました。16歳のとき妙覚寺にて2年ほど寺の生活をしました。とうじ、精竜の滝という所に道場がありました。夏は畑を耕し、お参りに来る道中の草刈りを延々とします。蕗や蕨をとり漬け物にして保存します。夜はお題目を唱えます。滝にいって水行をします。冬は積雪が多く一日中、除雪ということもあります。まだ、ママさんダンプというのもないときでした。

中山法華経寺という本山に行くことになり、そこで定時制高校に通いました。勉強は夜にするものという習性がつきました。大学も夜学で4年通いましたので、今でも夜の11時12時でも平気で勉強しています。今は12時30分です。

大学に通うなかで友人と帰りは食事をします。苦学生なので、どうしても軽く飲むような雰囲気になります。私はあるとき仲間に、お酒は飲まないことにしたと断言しました。理由は酔っ払って勉強ができないからです。そのときの仲間は高橋さんらしいと称賛してくれました。それいらいお酒は飲んでいません。昨年、本を2冊出版しました。ありがたいことです。あれから40年になりますが、仲間はとても喜んでくれました。やっと、約束が果たせたと思っています。

この2年ほどは、各地にて講習会を行っています。有り難いことです。若いときに自分が50歳60歳になったときのことを考えながら、辛抱をし努力してきて良かったと思っています。その努力の割には進歩が微々たるものです。でも、何十年後の自分、来世の自分のために精進は欠かさずに行っていこうと思います。何事も一歩からです。その一歩を毎日毎日、歩くことです。信仰もかわらない毎日の積み重ねが大事です。