151.神道から仏教へ                         高橋俊隆

 七面大明神のいわれについて調べたことがあります。そのとき日本の古来の信仰にもふれました。山の信仰、海の信仰、星の信仰が中心となります。日本の神道は中国の今で言う道教の系譜に繋がりますので、星の信仰が強く見られます。天皇という尊名も地皇の上にあります。本来は日本の天皇という尊称は、大地、国土の統率者ですので地皇と尊称されるのではないかと思います。

国土を統率する国王になるには天の神から認められることが必要でした。大地に起きる災害や飢饉などは、その国王に責任があるとされます。その儀式が神道の儀礼のなかに多く見られます。また、北斗七星の信仰はかなりの部分をしめています。

 日本は中国の文化や信仰を受け継ぎ、また、韓国を通しての信仰も多く見られます。そう考えますと、東洋人というくくりとすれば同族になると思います。過去に日本から韓国に行って韓国人になった民族、逆に韓国からは大勢の民族が日本の各地に入っています。今は日本人となっています。

 古代の遺跡などにある石像物などに、何に使ったか分からないというものがあります。これを、道教の思想からみたら水の信仰であるとか、星の信仰であると思われるものが多数あります。ここには中国や韓国の思想が入っていたことがわかります。

 桃の節句、おひな様も、道教の信仰に由来されます。日本にはこれらがまだ残っているのは、天皇家が長く続いているからです。幸せなことと思います。

 このような思想や信仰が仏教の基本となっています。これらは日常の生家のなかに生かされますが、さらに、生死の問題や神ということになりますと、仏教のなかに求められたのです。心の悩みや肉体の病などの解決は仏教が優れた力を発揮したのです。