198,三世のいのち        .        高橋俊隆

まだまだ新型コロナの感染は続いています。2類相当から5類へ変更され、インフルエンザと同じように扱われるようになりました。二つの初期の症状では見分けがつかないようです。治療法や薬が異なるので医師の診断が大事です。

年齢を重ねるとともに体力は弱くなってしまいますが、信仰心は強くなると思います。病気や災厄があると人間の弱さも露出してきますので、信仰に頼り弱点を克服しようと思うからでしょうか。

 北海道神宮に参拝する車が行列となっているのを見ますと、日本人は信仰心があると思います。本人たちは別に信仰でお参りに来てはいないと言いますが、神仏を大切に思うのは信仰心がある証拠です。

 子供のころから神社やお寺に手を合わせる子供は、生まれながら信仰心を持っていると思います。お寺の入り口に浄行菩薩さんと水子供養の石仏があり、近所の子供や野球少年がお寺の裏のグラウンドに行き来するときに、必ず手を合わせる子供がいます。子供たちは自然に手を合わせていうのでしょうが前世からの信仰を感じます。

 生まれれてくる前の前世、死んで次に生まれてくる来世、今いきているのが今世という、前世・今世・来世という三世があることを説いたら笑われてしまうようになりました。信じられない現実離れしたことと受け止められています。

 死んだらそれで終わりだから好きなことをして生きる、それが社会のためになる良いことならいいですが、悪事をすることは認められません。釈尊は人を苦しめることは罪として残り、その罪は自分に還ってくると説きます。因果応報と言います。

何よりも人を大切に思う心が大事です。他人が喜ぶことを自分の喜びとできる人が多くなると平和な社会となります。それには根本に信仰心が必要だと思います。自分の心を調整できるのは善を行い功徳を積み悪を止める(諸善奉行・諸悪莫作 しょぜんぶぎょう・しょあくまくさ)という釈尊の教えを聞いているからです。

日蓮聖人が一善に帰せよと言うのは法華経の教えに帰依することを言います。世界の平和、立正安国の実現は可能であるからです。お題目を御唱えしますと全ての罪が消え、必ず幸いが来ると述べています。お題目を御唱えしましょう。「いのちに合掌」。