79.身延山参拝を終えて

夏の参拝旅行は始めてのことで、心配していたように、いきなり羽田で猛暑にあいました。翌日は日本で一番暑いという36を越した身延を経験しました。今回は弟子の真祥が身延で4年の最後の年をむかえたので、身延のお祖師さまにご挨拶と、日頃お世話になっている方々へのお礼に行ってきました。檀家の皆様には真祥がまじめに修行している様子と、残りの日々を退転なく修行してもらうよう、励ましてもらう参拝でした。

中山の大本山法華経寺を出身した私にとっては、特に、妙覚寺が中山門流であるので、祈祷中心の法華経寺においても修行してもらいたいと思っています。また、つぎの弟子ができるならば今度は、東京の池上本門寺にて修行してもらいたいという夢があります。

身延山にては、つい数日前に幕がはずされ、威風堂々とした五重の塔を拝見できました。北海道の寺院参拝では一番のりの拝見でした。本来ならば昨年のうちに完成する予定でしたが、おくれたとはいえ、拝見できたことは有難いことでした。今回はゆっくりと時間をとってご廟所をお参りしました。700年まえの日蓮聖人を偲んでいただいたと思います。身延に入られた年は凶作のときで、ついてきた弟子を鎌倉に帰したほどです。身延に入られても苦労が続きましたが、各地の弟子を養成して千葉・鎌倉・伊豆・佐渡などを中心に法華経を広めていました。各地の弟子は日蓮聖人の手紙を携えて各地をまわり、日蓮聖人の教えを説き、そして、各地の信徒の手紙をもって身延に帰ってくるという、布教の展開を繰り広げていました。弟子や信徒にたいする迫害は、なおも続き、死者がでるほどの苦難の連続でした。

今回の参拝において、気づいたことは、私達が参拝することを尼さんたちが喜んでいるということです。前回は1しかできなかったことを、今回は2するということが大事です。私達の志が尼さんや妙覚寺のすでに没した人たちに大きな力をあたえ、ご恩に報じることができたということです。お祖師さまを肌で感じる旅となりました。