『日蓮聖人の歩みと教え』テキスト発行
妙覚寺において毎月、勉強会を行なっています。その内容の補充と、これからの勉強会のテキストとして作成しました。
日蓮聖人がお生まれになる時代背景と、誕生から入寂にいたる歩みを知り、その過程における教学の形成を『遺文』を中心に学ぶものです。
そのため、『遺文』を最初から最後まで、偽書とされるもの以外を一つ一つ拝読しながら、その内容を学ぶものです。ここには、教学いがいの歴史や文化、信徒の経済状況と交通、そして、信仰の取捨など、多くの現実的なものが見出されます。それは、今日の課題にも通じていることを知りました。
釈尊は対機説法をされ、しだいに本意を説き示していきます。それを随自意と言います。しかし、弟子のなかには容易に受け入れられない者が多数でてきました。
日蓮聖人の行動は、はじめから随自意を説く必然性を預託されたものでした。これを、「末法付属」といい、「本化上行自覚」を確証するための迫害を覚悟されることになります。
四条金吾氏や上野時光氏、富木氏や池上氏・波木井氏などの檀越との絡み合いから、日蓮聖人の人間性が見えてきます。また、信徒が供物をささげ、日蓮聖人に給仕する大切さを教えます。
まだまだ、日蓮聖人の歩みについて不明なところが散見します。新たな発見は日蓮聖人の尊厳をますことになるでしょう。日蓮聖人の勉学の範囲だけでも、想像ができないほどのものです。今日に残された『要文集』を見るだけでも、どれほどの法論に備えていたのかがうかがえます。
檀家のみなさまと、ともに学び、そして、幾分でも信仰に繋がるなら、これほどの喜びはありません
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